定番デザインでいつまでも使えるイームズのシェルチェア

家でパソコンの前で過ごすこともあると思いますが、まとまった時間を過ごす必要があるときには少しでも快適な椅子を使いたいですよね。ということで、イームズのサイドシェルチェアを紹介します。

イームズのシェルチェアとは

イームズとは、チャールズ・イームズとレイ・イームズという夫婦のデザイナーです。イームズ夫妻は、1940～1960年代に多くの家具やインテリア、建築物などをデザインしています。

その中でも有名なのがサイドシェルチェアです。サイドシェルチェアは、チャールズ・イームズとエーロ・サーリネンが曲線的フォルムのプライウッド製シーティングの可能性を探る中で芽生えたアイデアです。いくつかのプロトタイプの制作を経て、イームズ夫妻がニューヨーク近代美術館で開催された「International Competition for Low-Cost Furniture Design（低コストファニチャーデザイン国際コンペティション）」のために金属板をプレス加工した一体型シェルチェアを製作しました。

このチェアはコンペティションの2位を獲得したものの、大量生産するには費用が高すぎたため、夫妻はファイバーグラスで補強されたプラスチックという新しい素材を模索し始めました。有機的な形状に成型することができ、生産上のコスト効率も良い素材ですが、当時はまだ消費財には使われていませんでした。そのため、イームズ夫妻は今でもサイドシェルチェアの製造と販売を手掛けるハーマンミラーと組んで大量生産を実現しました。

しかし、レイ・イームズとハーマンミラーはファイバーグラス製造過程の環境への影響に懸念を抱き、1990年代初頭にハーマンミラーはその製造を中止しました。その後、ハーマンミラーは100％リサイクル可能なポリプロピレン製のプラスチックシェルチェアを2001年に再発売しました。また、2013年には、ハーマンミラーはイームズファミリーの協力を得て、3Dベニア技術を活用したウッドベニアによるシェルチェアを製造しました。近年、ハーマンミラーは持続可能性を高めたファイバーグラスでシェルチェアの製造販売を再開し、同時にファブリック張りのオプションも再開しました。

イームズのサイドシェルチェアについて

駅のホームやスタジアムでよく見かけたベンチをあのベンチは、イームズ夫妻と親交があった剣持勇という日本人のデザイナーがサイドシェルチェアにインスピレーションを受けてコトブキという会社が作ったものなんですよ。特に左の駅プラットフォームのベンチは新幹線や日本各地の駅プラットフォームに置かれていたので、見たことがある人もいるはずです。

まあ、正直コレをデザインされたら他のイスは全部パクリと言われても不思議じゃないくらいスタンダードなデザインですよね。まさに椅子というデザインですからね。椅子のアイコンといっても良いシルエットです。

現在、サイドシェルチェアはヨーロッパではドイツのvitraという会社が製作の権利を持っています。日本含むアジアは今はハーマンミラーが持っているようですね。シェルチェアはシェル（座る部分）とベース（椅子を支える脚）のバリエーションがあって好みのスタイルで変更が可能です。ハーマンミラーが現行で販売しているシェルチェアを紹介しておきます。