カメラを取り出してその瞬間の風景を切り取ることができるコンパクトなデジカメは活躍するシーンは多いですよね。ということで、SONY RX100シリーズをレビューし、おすすめの機種の選び方を紹介します。
RX100シリーズとは
RX100シリーズは、2012年6月に発売されたRX100(DSC-RX100)から2019年8月に発売された最新モデルのRX100VII(DSC-RX100M7)まで存在していて、現在でも6機種がソニーストアで販売されています。初代RX100を2015年に購入したのですが、それから今まで満足して使っているので、ほんとにRX100はコストパフォーマンスが高い名機だと思います。
2012年当時、ソニーは過去最大となる赤字を出していたのですが、RX100シリーズや多くのスマホ、一眼レフでも採用されている“Exmor(エクスモア)”CMOSセンサーによって持ち直したといっても過言ではないくらいソニーにとっては重要なデバイスです。このセンサーによって、夜景や室内などの暗いシーンでも、ノイズが少なく、美しい写真を撮ることができようになりました。さらに、RX100シリーズでは、一貫して大型の1.0型Exmor CMOSセンサーを採用することで描画性能が他のデジタルカメラやスマートフォンから飛びぬけていると思います。今は他社も大型1.0型センサーを採用したデジカメを発売しているので飛びぬけているというのは言い過ぎかもしれませんね、ただし、現行で販売されている1万円から2万円台のデジタルカメラは1/2.3型のCCDセンサを採用していて、高性能なスマートフォンでも1/1.7型が採用されていることが多いです。光を受けることができる面積が広いほど写真が高画質になるといわれていますので、これだけでもRX100シリーズをお勧めできます。
また、2015年7月に発売されたRX100IVからは積層型CMOSセンサーExmor RSを採用して連射速度が大きく向上しています。例えば、スポーツのワンシーンを取る際にゆがまないなど画質向上と利用シーン拡大に大きく貢献しています。RX100IVからシャッタースピードも大きく向上していますので、夜景などぶれ易いシーンでもきれいに写真が撮れることが期待できます。
シリーズ比較
RX100シリーズの問題はとくかくモデルが多すぎることです。初代から最新機種まで6機種が現役で販売されているのは本当にびっくりします。値段も4万円から14万円と大きく開きすぎているので選ぶのが難しいかと思います。もちろん、最新機種が性能良いのですが予算もあると思いますので、人それぞれに合ったRX100を選ぶことが大切です。
公式サイトから引用した比較表を下に載せました。右が初代機種で左に行くほど新しい機種になります。また、性能や使い勝手が向上する可能性があるポイントについては黄色のアンダーラインマーカーを付けました。
RX100 VII | RX100 VI | RX100 V | RX100 IV | RX100 III | RX100 | |
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イメージセンサー | メモリー一体 1.0型積層型 CMOSセンサー | メモリー一体 1.0型積層型 CMOSセンサー | メモリー一体 1.0型積層型 CMOSセンサー | メモリー一体 1.0型積層型 CMOSセンサー | 1.0型裏面照射型 CMOSセンサー | 1.0型 CMOSセンサー |
有効画素数 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2020万画素 |
画角(35mm判相当)(静止画) | 24-200mm | 24-200mm | 24-70mm | 24-70mm | 24-70mm | 28-100mm |
F値 | F2.8-4.5 | F2.8-4.5 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 | F1.8-4.9 |
最高シャッター スピード | 1/32000秒 | 1/32000秒 | 1/32000秒 | 1/32000秒 | 1/2000秒 | 1/2000秒 |
ISO感度 (マルチショットNR) | ISO100-12800 (ISO100-25600) | ISO125-12800 (ISO125-25600) | ISO125-12800 (ISO125-25600) | ISO125-12800 (ISO125-25600) | ISO125-12800 (ISO125-25600) | ISO125-6400 (ISO125-25600) |
オートフォーカス | 357点像面位相差AF 425点コントラストAF | 315点像面位相差AF 25点コントラストAF | 315点像面位相差AF 25点コントラストAF | 25点コントラストAF | 25点コントラストAF | 25点コントラストAF |
高速連写 | AF/AE追従 約20コマ/秒 ワンショット連続撮影 約90コマ/秒 | AF/AE追従 約24コマ/秒 | AF/AE追従 約24コマ/秒 | 約16コマ/秒 | 約10コマ/秒 | 約10コマ/秒 |
光学式手ブレ補正 | 〇 最大4.0段 | 〇 最大4.0段 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
動画撮影 | 4K Full HD | 4K Full HD | 4K Full HD | 4K Full HD | Full HD (XAVC S対応) | Full HD |
動画光学式手ブレ補正 アクティブモード | 〇(5軸) インテリジェント アクティブ搭載 | 〇(5軸) インテリジェント アクティブ搭載 | 〇(5軸) インテリジェント アクティブ搭載 | 〇(5軸) インテリジェント アクティブ搭載 | 〇(5軸) インテリジェント アクティブ搭載 | 〇 回転方向対応 |
有機ELファインダー ( )内はドット数 | 0.39型 (約235万ドット) | 0.39型 (約235万ドット) | 0.39型 (約235万ドット) | 0.39型 (約235万ドット) | 0.39型 (約144万ドット) | ─ |
モニターサイズ ( )内はドット数 | 3.0型液晶 (約92万ドット) | 3.0型液晶 (約92万ドット) | 3.0型液晶 (約122.9万ドット) | 3.0型液晶 (約122.9万ドット) | 3.0型液晶 (約122.9万ドット) | 3.0型液晶 (約122.9万ドット) |
可動式モニター | 〇 上に約180度、下に約90度 タッチパネル | 〇 上に約180度、下に約90度 タッチパネル | 〇 上に約180度 下に約45度 | 〇 上に約180度 下に約45度 | 〇 上に約180度 下に約45度 | ─ |
スーパー スローモーション | 〇 最大960fps(40倍) | 〇 最大960fps(40倍) | 〇 最大960fps(40倍) | 〇 最大960fps(40倍) | ─ | ─ |
Wi-Fi / NFC対応 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ─ |
スマホ位置情報連動 | 〇 | 〇 | ─ | ─ | ─ | ─ |
マルチインター フェースシュー | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ |
バッテリー使用時間 (CIPA準拠) | 約260枚 / 約130分 | 約240枚 / 約120分 | 約220枚 / 約110分 | 約280枚 / 約140分 | 約320枚 / 約160分 | 約330枚 / 約165分 |
実際に使ってみてのレビュー
RX100(DSC-RX100)の重量は240gなのですが、買って持ったときは中身が詰まってるなあというくらいの感覚でした。iPhone 11 Pro Maxが226gなので大き目のスマホより少し重いくらいです。最新型のRX100VIIはさらに60g重いので最初はすこし重く感じるかもしれません。ただし、一番上の写真にあるようにすごくコンパクトなので女性のカバンにも問題なく収納できると思います。
また、上でも書きましたけど、RX100VIからスマートフォンからBluetooth経由で位置情報を取得する機能が搭載されました。公式サイトでは、以下のように書いています。
専用アプリImaging Edge Mobile(イメージング エッジ モバイル)をインストールしたスマートフォンやタブレットと接続して、Bluetooth経由で位置情報を取得し、記録することができます。取得した情報を使って、RX100 VIの日付設定やエリア設定の補正も可能です。さらに、画像管理ソフトウェアPlayMemories Home(プレイメモリーズ ホーム)で位置情報を記録した画像や動画をパソコンに取り込んで、地図とともに楽しむこともできます。
今までだと、写真を撮ってWiFi経由でスマホに取り込むとその時の位置情報が転送した写真に書き込まれる機能というのはよくありました。ただ、この位置情報連動機能はBluetoothでスマホに接続しているとデジカメで撮影した全ての写真に自動的に位置情報が書き込まれるんです。位置情報があると旅行から帰った後に見返すのが何倍も楽しくなるので個人的にはすごく重要です。
おすすめ機種
2015年にRX100(DSC-RX100)を購入したのですが、その時もRX100 IIIまでは発売済みで全ての機種が同時に販売されていました。人によって価値観が違うと思うので、あくまで一例としておすすめ機種を挙げておきます。
- 一台で旅行から風景、スポーツまで楽しみたい方→RX100 VI(DSC-RX100M6)、予算に余裕があるならRX100 VII(DSC-RX100M7)
- 予算を少し抑えながら最新機種に近い高画質を楽しみたい方→RX100 IV(DSC-RX100M4)
- 昼間の撮影が多くて、コスパを求めたい方→RX100(DSC-RX100)
ちなみに、今RX100を買い替えるとしたら間違いなくRX100 VI(DSC-RX100M6)にします。旅行に行くとスマホのBluetoothを使って位置情報を取得できるため、まるでデジカメにGPSが付いているような使用感で写真を撮りながら位置情報を写真データに書き込むことができるので、個人的には一択です。もちろん、位置情報が必要ではない人も多いでしょうから、そういう方はRX100 IVが無難なのかなあと思います。
サンプル写真
RX100(DSC-RX100)で撮影したサンプルは以下の記事を参照してください。最新型ではありませんが、十分にきれいな写真を撮ることができます。